第21章 動名詞のいろいろな働きと構文

英語の構文と特徴

第21章 動名詞のいろいろな働きと構文

動名詞は動詞の性質を持ちながら名詞の働きをします。動名詞の形は現在分詞と同じく-ingである。また、動詞の性質を持っていることから、完了形(having+過去分詞), 受動態(being+過去分詞), その組合わさった完了形受動態(having been+過去分詞)があります。ここでは、動名詞の基本的用法と、動名詞特有の構文を不定詞や分詞と比較しながら学びます。

ビートルズなどの洋楽歌詞に特に興味がない方は、下記の引用部分を飛び越えて文法のセクションへ移動してください。↓

アメリカのロックグループKISSの曲「I Was Made For Loving」の歌詞は次のように書き換えることができます(第19章 不定詞 参照)。

前置詞 + 動名詞 I was made for loving you
受動態
I was made to love you (by youは省略)
能動態
You made me love you

ビートルズの歌詞に見られるto不定詞としてしまいそうな動名詞の例

Ticket To Ride Before she gets to saying goodbye(彼女がさよならと言い出す前に)


get to の後に動名詞が来ていて動詞の原形でない例。


21-1. 動名詞の働き

分詞の主な働きは形容詞ですが、動名詞の中心的な働きは名詞です。従って、文の中では名詞と同じ働きをします。

Running is good exercise.(走ることはよい運動だ)<主語>
It is very nice taking a walk early in the morning.(朝早く散歩をするのは気持ちがよい)<主語>
I enjoyed playing tennis.(私はテニスを楽しんだ)<目的語>
He was blamed for stealing the money.(彼は金を盗んだことで非難された)<前置詞の目的語>

動名詞には前置詞の目的語となる用法が多い。前置詞の次には不定詞は来ない。たとえば、He was blamed for (to) steal the money.とは言えない。
My job is cutting articles out of newspapers.(私の仕事は新聞の論説を切り抜くことだ)<主格補語>
We call that cribbing.(私達はそれをカンニングと呼ぶ)<目的格補語>

動名詞の形容詞的用法

動名詞が名詞を修飾する形容詞(限定用法)の働きをすることがあります。動名詞の場合は名詞の前から修飾する方法だけです。分詞との用法の違いに注意しましょう。

a smoking room(喫煙室)(= a room for smoking)

この用法の動名詞は名詞の「用途・目的・起源」を表す。一方、名詞の「動作・状態」を表す時は次のように分詞を使う。

a smoking chimney(煙を出している煙突)<分詞>–状態

「動名詞+名詞」のときのアクセントは、動名詞を強く、名詞を弱く発音します。分詞の時は名詞にアクセントを置きます。

21-2. 動名詞の用法

21-2-1. 動名詞の完了形

完了形の動名詞は、不定詞・分詞の時と同じく、文の動詞の表す時制より以前のできごとを示します。
文の動詞の時制と同時またはそれよりも未来のことは、単純形(-ing)でよいことも不定詞・分詞と同じです。

He denied having been there.(彼はそこに行っていたことを否認した)
She admitted having broken the glass.(彼女はそのコップを割ったことを認めた(コップはオランダ語))

remember(forgetなど)+動名詞

remember, forgetなどのように、動詞の意味自体に過去の内容を含む動詞は、完了形にせず、単純形動名詞を使うのが慣用的です。

I remembered seeing him.(= I remembered that I had seen him.)(彼に会ったことを思い出した)

21-2-2. 動名詞の否定

これも動名詞・分詞の場合と同様で、「not [never]+動名詞」の語順をとります。しかし、実際の英文にはあまり使われません。

He is proud of never having accepted bribes.= He is proud that he has never accepted bribes.(彼は収賄したことがないことを誇りにしている)

否定語の位置の移動に注意。後者の文の方が口語的です。

21-2-3. 意味上の主語

動名詞も不定詞・分詞と同じように、意味上の主語が文の主語と違う場合に、直前に意味上の主語を置きます。

動名詞の意味上の主語は所有格で示す

口語では、名詞はそのまま(’sを付けない)だったり、代名詞は所有格を用いることがある。

I cannot excuse his [him] being rude to you.(彼があなたに対して失礼を働いたことは許せない)
She is looking forward to Maki(‘s) coming.(彼女はマキが来るのを待ち望んでいる)
I once heard of a pilot(‘s) becoming mad in mid-air.(パイロットが空中で気が狂ったという話を聞いたことがある)

注)名詞が無生物の時は所有格にならない。
I couldn’t stand things always going astray.(品物がいつもどこかに見えなくなるのに我慢できなかった)

standは否定形で「我慢できない、堪えられない」という意味になります。ビートルズの歌にもあります。

You Like Me Too Much ‘Cause I couldn’t really stand it

意味上の主語と否定語はどちらが先?

意味上の主語と否定語とが一緒の時は、意味上の主語が先、否定語がそのあとに来ます。

I am sure of his [him] not passing the examination.(彼が試験に受かるわけがないと私は思う)

注)名詞が無生物の時は所有格になりません。
I couldn’t stand things always going astray.(品物がいつもどこかに見えなくなるのに我慢できなかった)

21-3. 動名詞を目的語にとる動詞

他動詞の多くは、動名詞も不定詞も目的語になります。

He started to read [reading] the letter.(彼は手紙を読み出した)

しかし、中には動名詞のみ目的語にとる動詞がいくつかあります。

He just missed being killed.(危ないところで殺されずに済んだ)
He gave up smoking.(彼はタバコを吸うのをやめた)
He finished painting the roof.(彼は屋根の塗装を終えた)
The girl was practicing pitching a softball.(その少女はソフトボールの投球練習をしていた)

動名詞と不定詞

21-3-1-1. 動名詞のみを目的語にとる主な動詞

mind (気にする), miss (〜しそこねる), avoid (避ける), give up (諦める), allow (許可する), admit (〜と認める), finish (終える), escape (〜を免れる), practice (行う), put off (延ばす), permit (許可する), stop (やめにする), enjoy (楽しむ), deny (否認する)
覚え方:magafepsed マガフェプスト

21-3-1-2. 目的語が動名詞と不定詞では意味の異なる動詞

(a) remember, forget

I remember saying so.<過去の事実を覚えている>

(そう言ったことを覚えている)

Please remember (=Don’t forget) to say so.<未来のこと>

(そういうことを覚えていてください(忘れないでそう言ってください))

forgetはrememberの反意語であるが、目的語が動名詞と不定詞の場合での意味の違いは、rememberと同じ。ただし、forgetが肯定文で動名詞を目的語にとるのはまれであり、またremember to〜よりもdon’t forget to〜が用いられることが多い。
(b) try

He tried painting the wall green.<もう塗ってしまった>

(彼は壁を試みに緑に塗った)

He tried to paint the wall green.<これおから塗ろうとする>

(彼は壁を緑に塗ろうとした)
(c) want, need 動名詞の場合は受け身の意味になる。

This watch wants (needs) repairing.= This watch needs to be repaired.(この時計は修理する必要がある)

cf. want to (do) (〜したがる)

21-3-1-3. 不定詞のみを目的語にとる主な動詞

agree (同意する), decide 決心する), desire (熱望する), expect (期待する), hope (望む), mean (意図する), promise (約束する), refuse (断わる), wish (望む)

He stopped talking と He stopped to talk

He stopped talking.(彼は話すことをやめた)
He stopped to talk.(彼は話すためにやめた)

ざっくりいうと、to不定詞は未来の意味合いがあります。上の2つの例文において、前者はやめた(過去)、後者はこれから話す(未来)ためにやめた、というニュアンスです。


21-4. 動名詞を含む慣用構文

21-4-1. mind 〜ing「〜することを気に掛ける」

Would you mind not smoking?(タバコを吸わないでくださいませんか)
Do you mind my moving your car?= Do you mind if I move your car?(お車を移動してもよろしいですか)

※ このmindを使った質問に対する答え方については3-2-1-3.を参照してください。

21-4-2. It is no use [good] 〜ing「〜してもむだだ」

It is no use trying to talk him into the project.(彼を説き付けて計画に参加させようとしてもむだだ)
What’s the use of talking back to your daddy?(お父ちゃんに口答えしたって何になるんだ)

※ There is no use [good] (in) 〜ing の形をとることもあります。

21-4-3. There is no 〜ing「〜することはできない」

There is no telling what will happen to us from now on.= It is impossible to tell what will happen to us from now on.(この先私達に何が起こるか知れたものではない)
There is no accounting for tastes.(人の好みは理屈では説明できない—蓼食う虫も好き好き(諺))

21-4-4. can’t help 〜ing「〜しないわけにはかない」

I couldn’t help feeling sorry for him.(彼を気の毒に思わないわけにはいかなかった)
I cannot help my ideas being different from yours.(私の考えはあなたの考えと異ならざるを得ない)

21-4-5. of one’s own 〜ing「人が自分で〜した」

This is a poem of my sister’s own composing.= This is a poem (which) my sister (has) composed (by herself).(これは妹自作の詩なんだ)

21-4-6. on 〜ing「〜するとすぐに」

On arriving in paris, he called his mother (up) long distance.= Immediately after [As soon as] he arrived in Paris, he called his mother (up) long distance.(パリに着くとすぐ彼は母親に長距離電話をかけた)

※ 動名詞の代わりに動作名詞が使われることがある。

On his arrival in Paris, he called his mother (up) long distance.

in 〜ing「〜時に、〜の間に」(=when〜)

on 〜ingは文の動詞より前のこと、このin 〜ingは文の動詞と同時のことを表します。

In speaking a foreign language, you have to be careful about pronunciation.= When you speak a foreign language, you have to be careful about pronunciation.

(外国語を話す時には発音に気をつけなければならない)

21-4-7. hope(s), chance(s) of 〜ing「〜するという望み、見込み」(同格関係)

There are high hopes of his son’s graduating with honors.(彼の息子が優等で大学を出る望みは大いにあります)
The chances of winning the quartergfinals are slim.(準々決勝を勝ち進む見込みはうすい)

21-4-8. その他の慣用表現

I’m rather accustomed [used] to waiting in a queue.(私はどちらかといえば並んで待つのに慣れている)

※ be [get] accustomed [used] to やlook (forward) to (待ち望む)のtoにつられて不定詞を入れないように注意

be accustomed to 〜ing

get accustomed to 〜ing

be used to 〜ing

get used to 〜ing

look (forward) to 〜ing

look forward to 〜ing
Kyoto and Nara are worth visiting.(京都と奈良は見学する価値がある)
I don’t feel like going to the movies this evening.(今夜は映画を見に行く気がしない)
I never pass a bookstore without taking a look at the new book section.(本屋を通ると必ず新刊書コーナーを覗いてみます)
What [How] about playing catch?= What do you say to playing catch?(キャッチボールどう?)

※ このtoのあとも〜ingで不定詞ではないことに注意。
It goes without saying that an experienced person will do it better than someone without experience.(未経験者より経験者の方がうまくいくのはいうまでもない)
He learned English very hard with a view to becoming an interpreter.(彼は通訳になる目的で英語を熱心に学んだ)

※ このtoのあとも〜ingで不定詞ではないことに注意。

ビートルズの歌詞にもget to sayingがあります。

Ticket To Ride Before she gets to saying goodbye

get to の後に動名詞が来ていて動詞の原形でない例。「〜し始める」「〜(の時点に)に達する」というような意味。ちなみにTicket To RideはもともとTicket To Rhydeだったという話があります。

次は話法について見てみましょう。

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