Contents
- 第20章 分詞(現在分詞、過去分詞)
- ビートルズの歌詞に出て来るhelp+原形不定詞
- ビートルズの歌詞に出て来る知覚動詞+過去分詞
- ビートルズの歌詞に出て来るwatch+原形
- ビートルズの歌詞に出て来る知覚動詞+現在分詞
- ビートルズの歌詞に出て来るhave+過去分詞
- ビートルズの歌詞に出て来るbe+gone
- ビートルズの歌詞に出て来る分詞構文
- 20-1. 分詞の基本的な用法
- 20-1-1. 現在分詞と過去分詞
- 20-1-2. 分詞の用法
- 20-1-2-1. 限定用法(名詞を修飾)
- 20-1-2-2. 叙述用法
- シカゴで開催され[る、ている、た]会議は?
- 20-2. 分詞の叙述用法
- 20-2-1. 自動詞の補語として(SVC)
- 20-2-2. 知覚動詞・使役動詞とともに(SVOC)
- I had my house paintedは使役か受け身か?
- 20-2-3. have, set, wantなど(ある状態を)始動させる動詞とともに(SVOC)
- 20-2-4. keep, leaveなど(ある状態に)しておく動詞とともに(SVOC)
- 分詞の慣用的用法
- 20-3. 分詞構文
- 20-3-1. 分詞構文とは
- 分詞構文の作り方
- 20-3-2. 分詞構文の用法
- A. 基本用法(分詞の意味上の主語=主文の主語)
- 20-3-2-A-1. 時を示すもの「〜すると」「〜しながら」「〜したあと」
- 20-3-2-A-2. 理由を示すもの「〜なので」「は〜なので…」
- 20-3-2-A-3. 付帯状況を示すもの「〜しながら」「〜して」
- 20-3-2-A-4. 条件および譲歩を示すもの「〜すれば」「〜とはいえ」
- B. 独立分詞構文(分詞の意味上の主語≠主文の主語)
- 20-3-2-B-1. 「意味上の主語+分詞」(分詞の意味上の主語が主文の主語と異なる時は、これを前に置く)
- 20-3-2-B-2. 慣用的に意味上の主語を省く場合
- with構文
第20章 分詞(現在分詞、過去分詞)
分詞も不定詞と同じく準動詞の1つです。分詞は動詞の性質を持ちながら、文中で主として形容詞の働きをします。分詞には「現在分詞」と「過去分詞」の2つがありますが、すでに「be+現在分詞」(進行形),「have+過去分詞」(完了形), 「be+過去分詞」(受動態)の形で、それらの重要な働きを学びました。ここでは、その他の働きについて学び、さらに分詞構文のあらましについて見てみましょう。
ビートルズなどの洋楽歌詞に特に興味がない方は、下記の引用部分を飛び越えて文法のセクションへ飛んでください。↓
Help | Help me get my feet back on the ground(もう一度きちんとした生活をする手助けをしてくれ) |
The Word | I hear it said(耳に入ってくる) |
What Goes On | watch me die(僕が死ぬのを見る) |
The Fool On The Hill | But the fool on the hill sees the sun going down(でも丘の上の愚か者は太陽が沈んで行くのを見ている) |
Savoy Truffle | You’ll have to have them all pulled out(君はそれらすべてを引いてもらわなければならない) |
I Call Your Name | Since you’ve been gone(君が行ってしまってから) |
You Won’t See Me | since you’ve been gone(君が消えてしまってから) |
A Day In The Life | But I just had to look, having read the book(でも見ずにはいられなかった。本を読んだものだからね) |
20-1. 分詞の基本的な用法
20-1-1. 現在分詞と過去分詞
分詞は現在分詞(-ing形)と過去分詞(規則動詞の-ed形または不規則動詞の過去分詞)があります。
分詞も動詞の性格を持っているので、意味上の主語・目的語・補語・修飾語(句)をとることがあり、また、受け身や完了形にもなります。
※ 現在分詞と過去分詞の「現在」「過去」という用語は、時制の現在?
・過去とは全く関係がないことに注意。
20-1-2. 分詞の用法
分詞には限定用法と叙述用法とがあります。
20-1-2-1. 限定用法(名詞を修飾)
1 | 自動詞の現在分詞は「〜している」の意味 a sleeping boy(眠っている少年) a boy sleeping in the shade(日蔭で眠っている少年) |
---|---|
2 | 他動詞の現在分詞は「〜させる、〜している」の意味 an exciting story(わくわくさせる話→とても面白い話) a boy playing the guitar(ギターを弾いている少年) |
3 | 他動詞の過去分詞は「〜された」と受動的な意味 a hand-written letter(手書きの手紙) a boy scolded by the teacher(先生に叱られた少年) |
4 | 自動詞の過去分詞は「〜した」(状態)の意味 a fallen tree(倒れている木→倒木) a faded flower(しおれた花) |
※ 分詞は1語の時は名詞の前から修飾しますが、句になっている時は必ず名詞の後に来ることに注意しましょう。
20-1-2-2. 叙述用法
1 | 主格補語として(SVC) The sky became threatening.(空模様があやしくなった)<現在分詞> He got beaten .(彼は打ちのめされた)<過去分詞> |
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2 | 目的格補語として(SVOC) He found her sleeping in the cot.(彼は彼女が簡易ベッドで眠っているのを知った)<現在分詞> He found her defeated in the argument.(彼は彼女が議論で負かされたのを知った)<過去分詞> |
シカゴで開催され[る、ている、た]会議は?
a conference to be held in Chicago<不定詞を用いる> (シカゴで(これから)開催される会議) |
a conference being held in Chicago<現在分詞の受け身> (シカゴで(目下)開催されている会議) |
a conference held in Chicago<過去分詞> (シカゴで(すでに)開催された会議) |
※ 一般に過去分詞はすでに終わっている感じ、現在分詞は目下進行中の感じ、不定詞はこれから先の感じとなります。
20-2. 分詞の叙述用法
SVC文型およびSVOC文型のCに分詞が使われる場合を、動詞との関連で詳しく見てみよう。
20-2-1. 自動詞の補語として(SVC)
A bull came hurtling toward us.(牛が1頭突進してきた) |
He lay tied up.(彼は縛られて横たわっていた) |
20-2-2. 知覚動詞・使役動詞とともに(SVOC)
I saw him coming upstairs.(彼が階上へ上ってくるのを見かけた) |
He heard his name called.(名を呼ばれたのが聞こえた) |
I had my house built.(家を建てさせた) |
※ OがCに対して意味上の主語の関係にあることに注意(↓下表)。
① | 知覚動詞のあとの現在分詞は上の例のように「動作の一部」を見る(聞く)感じ。これに対して原形不定詞は「動作の最初から最後まで」を見る(聞く)感じを表す。 I saw him come upstairs.(彼が階上へ上ってくるのを見かけた) |
② | 使役動詞のあとに過去分詞がくる時は、Oに物がくることが多く、原形不定詞がくる時はOに人が来ることが多い。 I had my watch stolen. (時計が盗まれた) I had him build my house.(彼に家を建てさせた) しかし、これは一応の目安で、正確にはOとCが能動(OがCする)か受動(OがCされる)かで決まる。cf. father had us taught music.(父は私達に音楽を習わせた) |
---|---|
③ | haveがgetになると、原形ではなく、to不定詞を用いることに注意。アメリカに多い語法といわれている。 I got him to build my house.(彼に私の家を建てさせた) |
I had my house paintedは使役か受け身か?
「O+過去分詞」の表す意味が主語(I)にとって「利益」となれば「使役(〜させる、〜してもらう)」となり、「被害」となれば「受け身(〜される)」となる。上の文は使役と考えられる。「使役」ではhave, 「受け身」では過去分詞をそれぞれ強く発音する。 |
20-2-3. have, set, wantなど(ある状態を)始動させる動詞とともに(SVOC)
You’ll have six days’ pay coming to you.(1週間分の給料はもらえるからね) ※ have〜+〜ingのhaveは使役ではない。 |
That remark set them laughing.(その言葉が彼らを笑わせた) |
Do you want this box opened?.(この箱を開けてもらいたいですか) |
20-2-4. keep, leaveなど(ある状態に)しておく動詞とともに(SVOC)
Keep the machine going.(機械を動かしておけ) |
We’d better leave it unsaid.(それは言わないでおいた方がいい) |
分詞の慣用的用法
分詞には次のような用法がある。いずれも現代の英語に頻出の型なので、文型にはとらわれずに、このまま慣用表現として覚えておきましょう。
father often goes shopping.(父はよく買い物に行きます)<go+〜ing> |
She is out in the garden sun-bathing.(彼女は庭に出て日光浴をしている)<be+場所+〜ing> |
Teachers are busy marking papers.(教師達は採点で忙しい)<be+busy+〜ing> |
He spent all day reading the book.(彼は1日中読書して過ごした)<spend+O+〜ing> |
20-3. 分詞構文
20-3-1. 分詞構文とは
同時または引き続いて起こる2つの動作(または状態)を、接続詞を使わないでその一方を分詞で表すことができます。これが分詞構文です。分詞構文は一部を除き文語体です。
分詞構文の作り方
接続詞を 用いた文 |
接続詞+S1+V1〜, S2+V2〜. |
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分詞構文 | V1の現在分詞(ing型), S2+V2〜. |
手順:1. 接続詞をとります。
2. S1をとります。
3. V1を分詞形にします。
※ S2は分詞の「意味上の主語」になります。
接続詞を 用いた文 |
When he saw a policeman, he ran away.(警察官を見ると、彼は逃げた) |
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分詞構文 | Seeing a policeman, he ran away.(警察官を見ると、彼は逃げた) |
接続詞を 用いた文 |
As he was wounded in the leg, he could hardly walk.(足に傷を負ったので、彼はほとんど歩くことができなかった) |
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分詞構文 | (Being) wounded in the leg, he could hardly walk.(足に傷を負ったので、彼はほとんど歩くことができなかった) |
接続詞を 用いた文 |
After he had locked the door, he left his house.(ドアに鍵をかけたあと、彼は家を出た) |
---|---|
分詞構文 | Having locked the door, he left his house.(ドアに鍵をかけたあと、彼は家を出た) |
接続詞を 用いた文 |
As I did not know what to say, I remained silent.(何を言うべきかわからなかったので、私は黙っていた) |
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分詞構文 | Not knowing what to say, I remained silent.(何を言うべきかわからなかったので、私は黙っていた) |
注)否定のnot, neverは、常に分詞の前に置きます。完了形「have not+過去分詞」の場合でも、Not having〜になります。
20-3-2. 分詞構文の用法
A. 基本用法(分詞の意味上の主語=主文の主語)
20-3-2-A-1. 時を示すもの「〜すると」「〜しながら」「〜したあと」
Arriving at the airport, he found that the plane had already taken off.= When he arrived at the airport, he found that the plane had already taken off.(空港についたら飛行機は飛び立ってしまっていた) |
Walking along the road, I sang a song.= While I was walking along the road, I sang a song.(道路を歩きながら、歌を歌った) |
My train started from Osaka at 7, arriving in Tokyo at 10.= My train started from Osaka at 7, and arrived in Tokyo at 10.(列車は大阪を7時に出発し、東京に10時に着いた) |
20-3-2-A-2. 理由を示すもの「〜なので」「は〜なので…」
(Being) a kind man, he is liked by all.= As [Because] he is a kind man, he is liked by all.(親切なので、彼はみんなから好かれている) ※ このような場合もふつうBeingが省略される。 |
Romeo, believing that Juliet was dead, he decided to kill himself.= As Romeo believed that Juliet was dead, he decided to kill himself.(ロメオはジュリエットが死んだものと思い込んで、自殺を決心した) ※ 分詞構文が文中に挿入されている場合、付随的な理由「ところでそれは〜なので」を表すものが多い。 |
20-3-2-A-3. 付帯状況を示すもの「〜しながら」「〜して」
I read the newspaper carefully, hoping there would be some good news from my country.(私は母国に関するよいニュースがあってほしいと思いつつ、新聞を丹念に読んだ) |
She entered, accompanied by her terrier.(彼はテリヤ犬を従えて入ってきた) ※ 付帯状況の分詞構文は、主文の後ろにくる場合が多いですが、文中にくることもあります。この種の文は、ふつう接続詞を使って書き換えられません。 |
20-3-2-A-4. 条件および譲歩を示すもの「〜すれば」「〜とはいえ」
Turning to the left at the third corner, you will find the station.= If you turn to the left at the third corner, you will find the station.(3番目の角を左折すれば駅があります) |
Admitting what you say, I still think I’m right.= Though I admit what you say, I still think I’m right.(君の言うことは認めるにせよ、まだ私の方が正しいと思う) |
B. 独立分詞構文(分詞の意味上の主語≠主文の主語)
20-3-2-B-1. 「意味上の主語+分詞」(分詞の意味上の主語が主文の主語と異なる時は、これを前に置く)
Night coming on, the boys went home.= As night came on, the boys went home. (夜になったので、男の子達は家に帰った) |
20-3-2-B-2. 慣用的に意味上の主語を省く場合
意味上の主語がwe, theyなど、「漠然と一般の人々」の場合はこれを省きます。慣用句として覚えましょう。
Strictly speaking, this is not good English. (厳密に言うと、これは正しい英語ではない) |
Considering his age, he is rather a big child. (年を考えると、彼は大柄な子供だ) |
Judging from [by] his appearance, he is ill. (見たところでは彼は病気のようだ) |
その他、Generally [Roughly] speaking(一般的には)、Talking of〜(〜の話をすれば)、Coming to〜(〜のことになれば)など。
with構文
意味上の主語がある分詞構文(独立分詞構文)が付帯状況を示す場合、さらにその前にwithを添えた表現になることがあります。
He came back, with his coat dripping. (コートから雫をポタポタたらしながら戻ってきた) |
He thought quietly for a while, with his eye closed. (彼は目を閉じたまま、しばらく考えていた) |
この分詞の位置に、形容詞・副詞や前置詞(前置詞+名詞)などがくることもある。これらを一括してwith構文と呼ぶことがあります。
with+名詞(意味上の主語+分詞(など) |
この構文は現代英語で非常に多く用いられます。
Don’t speak with your mouth full.<形容詞> (ほおばったまましゃべるな) |
He came out, with a big book under his arm.<前置詞句> (小脇に大きな本を抱えて出て来た) |
さらに、このwithが省略された簡潔な表現もあります。
He sat still, pipe in (his) mouth.<前置詞句> (パイプを加えてじっと座っていた) |
次は動名詞について見てみましょう。
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