第2章 英文の基本5文型

英文とその構成要素

Contents

第2章 英文の基本5文型

第1章では文を成立させる主要素(S, V, C, O)についてみてきました。文にはいろいろな形があり、ずいぶん複雑なものもありますが、述語動詞の種類によって主要素(S, V, C, O)の組み合わせは一般に5つの型に分類されます。これを5文型といいます。
一見複雑そうな文も、この5文型が基本になっていて、これに修飾語(句)が付いたり、他の文型と結びついたりしていることが多いのです。
第2章では、述語動詞の種類と5文型をマスターするために、文の基本型を見ていきましょう。

ビートルズなどの洋楽歌詞に特に興味がない方は、下記の引用部分を飛び越えて文法のセクションへ飛ぶことができます↓

本章で引用しているビートルズの歌詞1行

ビートルズの歌詞に出て来る第1文型

Eleanor Rigby There’s nobody there(そこにはだれもいない)
なぜthereが2つあるのでしょうか。前の方のThere isは「ある」とか「いる」を意味しているので、「そこに」と言いたい場合は2つ目のthereを後ろに置かなければなりません。
Here, There and Everywhere There’s something there(そこに何かがある)
Being For The Benefit Of Mr. Kite! There will be a show tonight on trampoline(今夜トランポリンの上でショーがあります)
Only A Northern Song There’s nobody there(そこにはだれもいない)
There’s no one there(そこにはだれもいない)
Golden Slumbers Once there was a way(かつてそこには道があった)

ビートルズの歌詞に出て来る第2文型

I Don’t Wanna Spoil The Party I wonder what went wrong(どうかしたんだろうか)
I Feel Fine and I feel fine(そして気分は上々)
I’m Looking Through You You don’t look [sound] different(見た目[聞こえて来る声]は変わっていない)
Within You Without You We were talking about the love that’s gone so cold(私達は冷えきってしまった愛について語り合っていた)
Only A Northern Song You may think the chords are going wrong(コードが間違っていると思うかもしれない)
I’m So Tired I’m so tired(とても疲れたよ)
Maxwell’s Silver Hammer he must go free(彼は自由にならなければならない)
Lucy In The Sky With Diamonds Flowers that grow so incredibly high(信じられないほど高くそびえた花)
And I Love Her Bright are the stars that shine, dark is the sky(輝く星は明るく、空は暗い)
Think For Yourself The future still looks good(未来はまだよく見える)
I Want To Tell You But if I seem to act unkind(つれない素振りをしているように見えても)
The Fool On The Hill The man with a foolish grin is keeping perfectly still(愚かな薄笑いを浮かべた男は完全にじっとしていた)
For You Blue I feel blue(私は憂うつだ)
Good Night Good night, sleep tight(おやすみ、ぐっすりお休みなさい)
You Never Give Me Your Money One sweet dream came true today(ある甘い夢が今日現実になった)

ビートルズの歌詞に出て来る第3文型(かなり多数あるため6つだけ引用)

Wild Honey Pie I love you(君を愛している)
Love Me Do Love, love me do(愛して、愛しておくれ)
Please Please Me Please please me like I please you(私があなたを喜ばせるみたいにどうか私を喜ばせてください)
And I Love Her I love her(彼女を愛している)
If I Fell ‘Cause I couldn’t stand the pain(なぜならば私はその痛みに耐えられないから)
A Day In The Life I read the news today oh boy(今日新聞を読んだ。あーあ)

ビートルズの歌詞に出て来る第4文型

Can’t Buy Me Love Can’t buy me love(愛を買ってあげることはできない)
The Word Give the word a chance to say(その言葉に言うチャンスを与えよ)
When I’m Sixty-Four Send me a postcard, drop me a line(はがきを送ってください。一筆お便りください)

ビートルズの歌詞に出て来る第5文型

Get Back she’s got it coming(=she has got it coming (to her)「彼女はit(の示す内容)らしくなる」=「彼女は当然の報いを受ける」)(このcomeは「だんだん…らしくなる」といったような意味か?)
Misery The world is treating me bad(世の中が私をひどく扱う)
What Goes On When you treat me so unkind(あなたが私を冷酷に扱うとき)
You Can’t Do That And leave you flat(そしておまえを大の字に伸ばして(倒して)やるからな)
You’re Going To Lose That Girl You’re gonna find her gone(彼女はあなたから去っていくだろう)
You Like Me Too Much If I just don’t treat you right(もしあなたが私に大切にしてもらえないなら)
Run For Your Life I’d rather see you dead(私はむしろあなたが死んでいるのを見たい)
I’m Looking Through You why did you not treat me right(なぜあなたは私を大切にしてくれなかったのか)
Hey Jude Don’t make it bad(それを悪くしないでください→悪く考えるなよ)
Don’t Let Me Down She done me good(彼女は優しくしてくれた)
We Can Work It Out You can get it wrong(あなたはそれを悪くとるかもしれない)
Honey Pie you are driving me frantic(あなたは私を狂わせる)
One After 909 Then I find I’ve got the number wrong(そして私は列車番号を間違っているのに気づいた)
She’s A Woman She hates to see me cry(彼女は私が泣くのを見るのが嫌いです)
No Reply I saw you walk in your door(あなたがドアを歩いて入っていくのを見た)
You’ve Got To Hide Your Love Away I can see them laugh at me and I hear them say(私を嘲笑しながら彼らが言うのが聞こえる)
Back In The U.S.S.R. And Moscow girls make me sing and shout(モスクワの娘達は私に歌わせてシャウトさせる)
Dear Prudence Dear Prudence, won’t you let me see you smile(親愛なるプルーデンス、微笑むところを見せておくれ)
Mother Nature’s Son Sit beside a mountain stream, see her waters rise(山のせせらぎの傍らに腰を下ろし、水位が上がるのを見る)(herはMother Nature’sと考えられる)
Don’t Pass Me By I hear the clock a’ticking(時計がチクタクいっているのが聞こえる)
Cry Baby Cry make your mother sigh(母親にため息をつかせてやれ)
I Want You (She’s So Heavy) It’s driving me mad(俺を狂わせる)

2-1. 主語と述語動詞

2-1-1. 主語になるもの


主語になるものは、名詞と代名詞です。また、名詞の働きをする句・節なども主語になります。

1 名詞 A fox is a cunning animal.(狐はずる賢い動物です)
2 代名詞 He is busy today.(彼は今日は忙しい)
3 動名詞 Smoking is prohibited in this room.(この部屋では喫煙は禁じられています)
4 不定詞 To know oneself is very difficult.(自己を知ることはとても難しい)<関係詞に導かれる節>
5 名詞節 What we need now is (to) rest.(私達が今必要としているものは休息です)<引用語句>
6 その他 “Wonderful” is her favorite word.(「すばらしい」というのが彼女の好きな言葉だ)
Slow and steady wins the race.(ゆっくりしかも着実にやるのが勝ち)<慣用句>

2-1-2. 述語動詞と5文型

文型 主語 述語
動詞
目的語 補語
I S 完全
自動詞
II S 不完全
自動詞
主格補語
III S 完全
他動詞
O
IV S 完全
他動詞
IO+DO
V S 不完全
他動詞
O 目的格補語

注)IOはIndirect Objectの略、DOはDirect Objectの略

 自動詞→Oを必要としない

 完全自動詞→Cを必要としない(第1文型)

 不完全自動詞→Cを必要とする(第2文型)

 他動詞→を必要とする

 完全他動詞→Cを必要としない(第3文型, 第4文型)

 不完全他動詞→Cを必要とする(第5文型)

2-2. 第1文型 S+V(ーは(が)…する)

第1文型の動詞は完全自動詞で目的語、補語を必要としません。

Time flies.(月日の経つのは早い→光陰矢の如し(諺))
Birds sing.(鳥はさえずる)

上例は、第1文型の最も単純な文であるが、次のように動詞に助動詞がついたり、sit down(座る)のような、「動詞+副詞」で1語の働きをする動詞が用いられる場合もあります。

I can fly.(私は飛べます)
We sat down.(私達は腰を下ろした)

しかし実際には、以上のように主語と動詞だけで成り立っている文は少ない。たいてい主語や動詞に修飾語句が加わり、より複雑な文になる。修飾語句はとても大切なものであることがわかります。

(a) The sun rises in the east.(太陽は東から昇る)
(b) School begins at eight-thirty.(学校は8時半に始まる)
(c) He arrived in Tokyo at five this afternoon.(彼は今日午後5時に東京に着きました)
(d) A new chemistry teacher came into the classroom.(新しい化学の先生が教室に入ってきた)

(a)のin the eastや、(b)のat eight-thirtyなどは修飾語句(副詞句)である。このように前置詞(in, atなど)で始まる語句はほとんどの場合、形容詞句か副詞句で、修飾語句であると考えてよい。ただし、(c)のthis afternoon(今日の午後)のように前置詞の付かない副詞句もあります。

There構文

1 There is [are]〜.

There is a laptop on my desk.(机の上にノートパソコンがある)
この文で、Thereは主語ではなく副詞で、a laptopが主語である。動詞isは「〜がある」という「存在」を表す。従って、この構文は第1文型S+Vの変形と考えられる。ただし、語順がV+Sになっていることに注意しましょう。
There are only two eggs in the refrigerator.(冷蔵庫に卵が2個しかありません)
Is there a good restaurant near here?(この近くによいレストランがありますか)
2 There+一般動詞
この構文で、be動詞以外の動詞が使われる場合があります。ただし、この構文は文語体です。
There lived an old man in the village.(その村に1人の老人が住んでいました)
There comes a time when you will be sorry for what you did.(あなたは自分のしたことを後悔する時が来るでしょう)
There used to be a big cherry tree here.(昔ここに大きなサクラの木が立っていた)

2-3. 第2文型 S+V+C(ーは…である)

第2文型の動詞は不完全自動詞で補語をとります。この場合、補語は主語の意味を補っていて、これを主格補語とよびます。

2-3-1. 主格補語になるもの

主格補語になるものは、名詞・代名詞・形容詞のほか、名詞の働きをする句・節および形容詞の働きをする句です。

1
名詞 Moscow is the capital of the Russia.(モスクワはロシアの首都です)
2
代名詞 Is this ball yours?(このボールはあなたのですか)
3
形容詞 She was happy over her success.(彼女は成功してうれしかった)
4
副詞 School is over at four.(学校は4時に終わります)
5
動名詞 Seeing is believing.(百聞は一見に如かず(諺))
6
不定詞 to love her is to need her.(彼女を愛することは彼女を必要とすること)
(BeatlesのHere, There and Everywhereの歌詞の一部)
7
現在分詞 I remained standing for another five minutes.(私はさらに5分立ったままでいた)
8
過去分詞 She got married soon after she graduated from college.(彼女は大学を卒業するとすぐ結婚した)
9
前置詞+抽象名詞 His faltering words of excuse were of no use.(彼の口ごもりがちのわびごとは無益だった)
10
名詞節 The question is who should take the lead.(問題は誰が先頭に立つかということです)<疑問詞に導かれる節>

2-3-2. 不完全自動詞と補語

不完全自動詞は、大別してbe型とbecome型に分けられます。

2-3-2-1. be型(ある状態を表すもの)

(1) be型(ある状態を表すもの)

A is B(AがBの状態である)—be, lie, stand, sitなど

He is a chemist.(彼は化学者です)<名詞>

I sometimes lay awake all night.(私は一晩中目をさましていることがあった)<形容詞
(2) A keep B(AがBである状態が続く)—keep, remain, stay, continueなど

I kept standing for half an hour.(私は30分間立ち続けた)<分詞>

For a while he remained speechless.(しばらく彼は口が利けないでいた)<形容詞
(3) A seem B(AがBの状態のように見える)—seem, appear, lookなど

He seemed surprized at the news.(彼はそのニュースを聞いて驚いたようだった)<分詞>

He seemed to be in trouble.(彼は困っているようだった)<不定詞>

They all appeared quite worn out.(彼らはみんな疲れきっているようだった)<分詞>

She looks young for her age.(彼女は年の割に若く見える)<形容詞
(4) A smell B(AがBの状態であることが感覚でわかる)—smell, taste, sound, feelなど

This rose smells very sweet.(このバラはとてもよいにおいがする)<形容詞

Good medicine tastes bitter.(良薬口に苦し(諺))

His statement sounds reasonable.(彼の言うことはもっともらしく聞こえる)<形容詞
(5) A weigh B(AがBの状態であることが計量でわかる)—weigh, measure, numberなど

He weighs 80 kilograms.(彼は体重80kgだ)<名詞>

This stick measures three feet.(この棒は長さは3フィートです)<名詞>

2-3-2-2. become型(ある状態から他の状態へ変化する)

(1) A become B(AがBになる)—become, grow, get, turn, makeなど

He became a great politician.(彼は立派な政治家になった)<名詞>

You will soon grow taller than your mother.(あなたは間もなくお母さんより背が高くなるでしょう)<形容詞

The days are getting longer and longer.(日がだんだん長くなってきた)<形容詞
(2) A come B(AがBの状態になる)—come, go, run, fallなど

Some day one of your dreams will come true.(いつかあなたの夢の一つが実現されるでしょう)<形容詞

Galileo went blind in his old age.(ガリレオは年を取って盲目になった)<形容詞

He finally fell sick.(彼はとうとう病気になった)<形容詞>
(3) A prove B(AがBの状態であることがわかる)—prove, turn outなど

The rumor proved (to be) true.(そのうわさは本当だとわかった)<不定詞 or 形容詞

参考 第2文型のいろいろ

(1) It(仮主語) is B(C) A(真主語)(=A is B)

主語が長い場合には、Itを仮主語として、真主語をあとにまわします。

It is very important to keep one’s promise.(約束を守ることはとても大切なことです)<不定詞が真主語>

It’s nice seeing you again.(またお目にかかれてうれしいです)<動名詞が真主語>

It was pity that you could not come.(あなたが来られなかったのは残念だった)<that節が真主語>

It is a mystery how he got into the room.(彼がどうしてその部屋へ入ったかは謎です)<疑問詞に導かれる節が真主語>
(2) It(仮主語) seems B(C) A(真主語)(=A seems B)

It seems impossible that we will win the game.(我々が試合に勝つのは不可能のように思える)<that節が真主語>

It seems good to me to do so.(私にはそうするのがいいように思える)<不定詞が真主語>
(3) その他die(〜のうちに死ぬ), meet(〜として会う)など

He died young.= He was young when he died.(彼は若死にした)

We met enemies, but parted friends. = We were enemies when we met, but friends when we parted.(敵として会い、友として別れる)

2-4. 第3文型 S+V+O(ーは〜を…する)

第3文型の動詞は完全他動詞で目的語を1つとります。

2-4-1. 目的語になるもの

目的語になるものは名詞・代名詞のほか、名詞の働きをする句・節です。

1 名詞 Please send this letter by special delivery.(この手紙を速達で出してください)
2 代名詞 I’ll be expecting you next Sunday.(今度の日曜日にお待ちしています)
3 不定詞 I intend to leave on the first of May.(私は5月1日に出発するつもりです)
4 動名詞 We enjoyed watching a baseball game.(野球の試合を観戦した)
5 疑問詞+to不定詞 I did not know what to say.(何と言ったらよいかわからなかった)
6 whether+to不定詞 I don’t know whether to go or stay.(私は行くべきか、とどまるべきかわからない)
7 名詞節 I believe that he is innocent.(彼は無罪だ私は信じています)

Do you know where he lives?(彼がどこに住んでいるのおか知っていますか)

I will do what I can.(私にできることは何でもやります)

注)1. She called on me.(=She visited me)(彼女は私を訪問した)やI am looking for my wallet.(私は財布を捜しているのです)のような場合には、「自動詞+前置詞」型の連語call onやlook forを1つの他動詞とみなし、meやmy walletをその目的語として、これらの文を第3文型と考える。

2. He lived a happy life.(=He lived happily.)(彼は幸せに生きた)やI have fought a good fight.(=I have fought bravely.)のような文もあり、life, fightを同族目的語という。それぞれ動詞と同族または同形のものである。

参考 目的語の訳し方

第3文型の目的語は、日本語の「〜(ということ)を」にあたる場合が多いが、必ずしもそう訳せない場合もあるので注意しよう。
次の例文の訳を参考に、主語と目的語の関係を研究しておきましょう。

We climbed Mont Blanc last year.(私達は昨年モンブランに登った)
He thanked me for my present.(彼は私に贈り物の御礼を言った)
He married her last month.(彼は彼女と先月結婚した)
Cats dislike dogs.(猫は犬が嫌いです)

動名詞と不定詞の意味の違い

I like swimming.とI like to swim.のように、likeは目的語に動名詞でも不定詞でもとり得ます。両者を同じ意味に用いる人もいますが、区別して用いる人もいます。

I like swimming, but I don’t want to swim now. (私は水泳は好きですが、今は泳ぎたくありません)では、前のswimmingは時点を問題としない「水泳」一般の、後者のto swimは現時点での好き嫌いを問題にしている。

不定詞は、どちらかといえば、現時点または近い将来のことを表し、動名詞は時に関係なくその動作を抽象的に表すのに多く用いられます。

I intend to collect butterflies.(蝶を収集しようと思う)
My hobby is collecting beetles.(私の趣味はカブトムシの収集です)

2-5. 第4文型 S+V+IO+DO(ーは–に〜を…する)

第4文型の動詞は2つの目的語をとる完全他動詞で、これを特に授与動詞という。2つの目的語のうち、「〜に」にあたる語を間接目的語(Indirect Object), 「〜を」にあたる語を直接目的語(Direct Object)という。間接目的語は「人」、直接目的語は「物」であることが多い。

2-5-1. 間接目的語(IO)と直接目的語(DO)の語順

この文型ではS+V+IO+DOの語順が普通ですが、次のような場合にIOとDOの位置が変わることがあります。この場合にはIOだったものの前に前置詞が必要です。

2-5-1-1. 修飾語句などがついて、間接目的語が長い場合

I sent a Xmas present to my uncle who lived in America.(アメリカにいるおじさんにクリスマスプレゼントを送った)

2-5-1-2. 間接目的語を強調したい場合

Father bought a dress for me and a laptop for my brother.(父は私にドレスを、弟にはノートPCを買ってくれた)

2-5-1-3. 直接目的語がitのように短い場合

He gave it to me.(彼は私にそれをくれた)

以上のように、IOとDOの語順を変えると、前置詞+IOの部分は修飾語(副詞句)になるから、第4文型から第3文型に変わることになります。

He showed me his album.(第4文型)
He showed his album to me.(第3文型)

2-5-2. 授与動詞の種類

この文型に使われる主な動詞を、IOをDOのあとにまわしたときの前置詞によって分類すると次のようになります。

2-5-2-1. toをとるもの→S+V+O+to〜

このグループに属する動詞(授与動詞の中で最も多い):

bring, give, hand, lend, offer, owe, pass, pay, promise, read, sell, send, show, teach, tell, throw, writeなど
He gave me a nice camera.→He gave a nice camera to me.(彼は私にすてきなカメラをくれた)
She sent me a long letter.→She sent a long letter to me.(彼女は私に長い手紙をよこした)
Mother told me an interesting story.→Mother told an interesting story to me.(母は私に面白い話を聞かせてくれた)

2-5-2-2. forをとるもの→S+V+O+for〜

このグループに属する動詞:

buy, choose, cook, find, get, leave, make, order, play, singなど
He bought his only son a new car.→He bought a new car for his only son.(彼は私にすてきなカメラをくれた)
She made her daughter a new dress.→She made a new dress for her daughter.(彼女は娘に新しい洋服を作ってやった)
Mother told me an interesting story.→Mother told an interesting story to me.(母は私に面白い話を聞かせてくれた)

参考 toとforの使い分け:toが「〜に」という「方向」を示すのに対して、forは「〜のために」という「利益、恩恵など」を示すことを考えると、どのような動詞にtoが付き、どのような動詞にforが付くのか、だいたい見当がが付きます。

2-5-2-3. ofをとるもの→S+V+O+of〜(askなど少数)

He asked me a favor.→ He asked a favor of me.

2-5-2-4. IOとDOの語順を変えられないもの(save, spare, costなど)

This machine saves us a lot of trouble.(この機械を使うと、だいぶ手間が省ける)
Can you spare me a few minutes?(数分、時間を割いていただけませんか)
This dictionary cost me ten dollars.(この辞書は10ドルでした)

2つの直接目的語をとる動詞

I envy you your good fortune.(私はあなたの運の良いのがうらやましい)
この文は形式上は第4文型ですが、2つの目的語はいずれも直接目的語です。次のようにいずれの形もいえます。
→ I envy you. I envy your good fortune.
Forgive us our sins.(我らが罪を許したまえ)
→ Forgive us. Forgive our sins.
Answer me this question.(この質問に答えなさい)
→Answer me. Answer this question.

2-5-3. 直接目的語になるもの

直接目的語には、第3文型の場合と同じく名詞になるほか、名詞の働きをする句や節がなります。

He taught me how to swim.(彼は私に泳ぎを教えてくれた)<名詞句>
He told me that he would do his best.(彼は最善を尽くすと私に言った)<名詞節>

2-6. 第5文型 S+V+O+C(ーは〜を–に…する)(ーは〜が–するのを…する)

次の2つの文を比較検討してみましょう。

(a) She made her daughter a new dress.(彼女は娘に新しいドレスを作ってやった)
(b) She made her daughter her secretary.(彼女は娘を自分の秘書にした)

(a)では、すでに学んだように、her daughterがIO、a new dressがDOであるが、(b)では「娘(daughter)を〜にする」というように、目的語を補足説明しています。従ってこれはS+V+O+Cの第5文型になっています。第2文型の、主語を説明している補語を主格補語というのに対して、第5文型の目的語を説明している補語を目的格補語といいます。上の例文では(a) her daughter ≠ a new dress, (b) her daughter = her secretaryの関係が成り立ちます。

2-6-1. 目的格補語になるもの

2-6-1-1. 名詞(句)(動詞:call, choose, elect, name, makeなど)

(a) They all call him a fool.(彼らは皆、彼のことを馬鹿呼ばわりする)
(b) We elected Mr. Taylor chairman of the commitee.(我々はテイラー氏を委員会の委員長に選んだ)
(c) We named our first son Ichiro.(最初の子供を一郎と名付けた)

2-6-1-2. 形容詞(句)(動詞:believe, consider, feel, find, imagine, keep, leave, makeなど)

(a) We believe him [to be] innocent.(我々は彼を無罪だと信じています)
(b) I found the book very interesting.(その本は読んでみたらとても面白かった)
(c) You must always keep your nails clean.(爪はいつも清潔にしておかなければならない)
(d) Make yourself at home, please.(どうぞ楽にしてください)

注)(a)のbelieveのように、補語に形容詞またはto不定詞をとる動詞がある。ただし、不定詞がto beの時は省略されることが多い。

ビートルズの「I Want You (She’s So Heavy)」にIt’s driving me mad.という歌詞があります。

I Want You (She’s So Heavy) It’s driving me mad, it’s driving me mad

2-6-1-3. 原形動詞(動詞:1. 知覚動詞→see, hearなど;2. 使役動詞→make, have, letなど)

(a) I saw him go out alone.(彼が1人で出て行くのを見た)
(b) The teacher made the pupil pronounce each word correctly.(先生はその生徒に各単語を正確に発音させた)
(c) I had him take my picture.(彼に写真を撮ってもらった)
(d) Let me introduce Mr. Johnson to you.(ジョンソン氏をご紹介します)

ビートルズの歌詞に出て来る使役動詞 make

Cry Baby Cry Make your mother sigh

2-6-1-4. 現在分詞(動詞:知覚動詞→see, hear, feel smellなど)

(a) I saw him walking across the street.(彼が通りを横切っているところを見た)
(b) I heard Mary singing in her room.(メアリーが部屋で歌っているのが聞こえた)
(c) I felt my heart beating wildly.(私は心臓が激しく鼓動しているのを感じた)

2-6-1-5. 過去分詞(動詞:1. 使役動詞→have, get, letなど;2. 知覚動詞→see, hearなど)

(a) I had my purse stolen in the crowded bus.(混んだバスの中でハンドバッグを盗まれた)
(b) I must get my watch fixed.(時計を直してもらわなければならない)
(c) Didn’t you hear your name called?.(あなたの名前が呼ばれるのが聞こえませんでしたか)

注)①知覚動詞は2-6-1-3.のように補語に原形をとる場合と、2-6-1-4.のように現在分詞をとる場合がありますが、次のような相違があります。
a) I saw him walk across the street.
b) I saw him walking across the street.
a)では横切る動作を始めから終わりまで見ていた感じの文であり、b)では横切る動作の途中を見た感じの文です。またb)の文のほうが描写がいきいきしていて、実際にその光景を見ているという感じがあります。

②第5文型では、目的語=目的格補語であることは前に述べましたが、動詞が使役動詞、知覚動詞などの場合には、この目的語(O)と補語(C)が「主語(S’)+動詞(V’)」の関係を持ちます。

S + V + O + C
     (S’)+(V’)

したがって、このS’・V’の関係によって補語の形が決まる。
能動の意味の時、Cは動詞(V’)の原形または現在分詞
受動の意味の時、Cは動詞(V’)の過去分詞

I had him take my picture.(He took my picture.)

I had my bag stolen.(My bag was stolen.)

第5文型のいろいろ

1 C=前置詞+(代)名詞(やや文語的)

I thought this book of no importance.(=unimportant)(私はこの本は重要ではないと思った)
He set her heart at ease.(彼は彼女を安心させた)
2 C=節
I found the bicycle as I had left it on the road a week before.(私が1週間前に道路に置いたままにしていたその自転車を見つけた)
I have made him what he is now.(私が彼を今日のように(成功)させてやった)
3 S+V+it(仮目的語)+C+〜.
目的語が名詞句や名詞節で長い時に、この構文では多くの場合、仮目的語のitを用いる。

(a) I think it better for you to stay home.(君は家にいた方がよいと思う)<不定詞>

この文では、形式目的語itがto stay homeという真の目的語を受けている。I think to stay home better for you.また、for youはto stayの意味上の主語になっている。

(b) She thought it foolish to spending money on expensive shoes.(彼女は高価な靴にお金を使うのはばかばかしいと思った)<動名詞>

(c) I think it natural that he should get angry.(彼が怒るのは当然と思う)<名詞節>

1動詞1文型ではない

たいていの動詞は2つまたはそれ以上の文型に用いられます。したがって、実際に英文に対する時には、必ずその文型を確かめる習慣をつけましょう。
feel, find, grow, make, turnのようなやさしい動詞が意外と多くの文型に用いられます。文型と、文型による動詞の意味の違いを把握する必要があります。例をいくつか示します。

1 God made heaven and earth.(神が天地を創られた)<S+V+O>
2 Two and two make four.(2+2=4)<S+V+C>
3 Mother made me a new blouse.(母が私に新しいブラウスを作ってくれた)<S+V+IO+DO>
4 The drug made me sleepy.(その薬で眠くなった)<S+V+O+C>

次は文の種類について見てみましょう。

  • 英語学習トップページ
  • 第1章:文の構造
  • 第2章:5文型
  • 第3章:文の種類
  • 第4章:名詞
  • 第5章:冠詞
  • 第6章:代名詞
  • 第7章:形容詞
  • 第8章:副詞
  • 第9章:動詞
  • 第10章:助動詞
  • 第11章:接続詞
  • 第12章:関係詞
  • 第13章:前置詞
  • 第14章:群動詞
  • 第15章:比較構文
  • 第16章:否定構文
  • 第17章:受動態と能動態
  • 第18章:仮定法
  • 第19章:不定詞
  • 第20章:分詞
  • 第21章:動名詞
  • 第22章:話法
  • 第23章:倒置
  • 第24章:強調
  • 第25章:省略
  • 第26章:名詞構文
  • 第27章:無生物主語
  • 第28章:挿入構文
  • 第29章:英語独特の会話表現
  • 第30章:英会話の決まり文句
  • 第31章:会話表現の特徴
  • 第32章:会話表現の発音
  • 第33章:覚えるべき会話表現
  • 第34章:誤解しやすい会話
  • 第35章:韻を踏んでいる歌詞
  • 第36章:お決まりのフレーズ
  • 第37章:教科書と日常の英語
  • 第38章:Beatlesの頻出単語
  • 第39章:英語の咄嗟の一言
  • 第40章:話しかけるフレーズ
  • ビートルズの曲名に基づく索引(a,b,c,…)
  • 英国オリジナルアルバムの発表順に基づく索引
  • 関連記事

    おすすめ記事

    最近の記事

    1. Whatever gets you through your lifeの意味

    2. Now And Thenの歌詞のstayは状態動詞ではなく動作動詞かという疑問

    3. 2023年に撮影した自然のワンショット動画

    4. There must be more to life than thisの意味を文法的に辿って解釈

    5. 2022年に撮影した自然のワンショット動画

    カテゴリー

    タグ

    TOP