第1章 英文の構造と構成要素

英文とその構成要素

第1章 英文の構造と構成要素

単語が集まって、あるまとまった思想、意思、感情を表す一続きのものが文です。

ビートルズなどの洋楽歌詞に特に興味がない方は、下記の引用部分を飛び越えて文法のセクションへ行くこともできます。↓

本章で引用しているビートルズの歌詞1行

ビートルズとB’zの歌詞に出て来るyouが入った命令形

Any Time At All Don’t you be sad(悲しんでないで)
Blue Jay Way Please don’t you be very long(あまり長く待たさないでくれ)
裸足の女神
(B’z)
Don’t you cry(泣かないで)
My 裸足の女神よ

1-1. 語順と語形変化

1-1-1. 語順

「ポールはジョンを知っている」を英語では次のように言います。

Paul
ポールは
knows
知っている
John.
ジョンを

1-1-2. 語形変化

もう一つ注意すべきことは語の形である。

(a) You love her very much.(あなたは彼女が大好きだ)
(b) And she loves you, too.(そして、彼女もあなたが好きだ)

この2つの文を比べてみると、日本語では同じ「彼女」なのに、英語の場合はsheやherになっています。また動詞はloveやlovesになっているが、英語ではこのように主格か目的格かなど、文中における働きなどによって語の形が変わります。

1-2. 主部と述部

1-2-1. 主語と述語動詞

文にはふつう主題になる部分「…が、…は」と、それについて「…する、…である」と述べる部分とがある。前者を主部(Subject)、後者を述部(Predicate)という。
主部の中心となる語を主語(Subject Word)という。述部の中心となる語を述語動詞(Predicate Verb)といいます。

主部
述部
a
I am a high school student.
b
My father works in a factory.
c
Mr. Nakaka will come up to Tokyo tomorrow.
d
The principal’s office is on the second floor.
e
He and I are cousins.
f
All of us sang and danced till late at night.

(a)の文ではIが主部であり主語でもあります。一方、(b)ではmy fatherが主部でfatherが主語です。(c)のwill comeのように、助動詞(will)+動詞(come)になっている場合には、これらを一緒にして述語動詞とみなします。(e)では2つの主語がandで結ばれて1つの主部となり、(f)では2つの述語動詞がandで結ばれて述部を構成しています。

主語になるものは名詞・代名詞とその相当語句です。また、主部全体を主語ということもあります。前例(b)のMy fatherや(d)のThe principal’s office全体も主語です。

1語でも文をなす場合があります。Yes.(はい), Thanks.(ありがとう), Fire!(火事だ!)などです。これを文相当語(Sentence Word)と呼ぶことがあります。

1-2-2. 主語の位置

これまで挙げた例文では、「主語+述語動詞」の順序になっています。これらを平叙文といいますが、次のような場合には主語が文中や文尾に移ります。

Is she an American? <疑問文>
How old are you ? <疑問文>
How tall he is! <感嘆文>

1-2-3. 主語の省略

1-2-3-1. 命令文では主語のYouはふつう省略し、動詞の原形で始まります。

Come in, please.(どうぞお入りください)
Turn off the radio.(ラジオを消しなさい)

ビートルズとB’zの歌詞に出て来るyouが入った命令形

Any Time At All Don’t you be sad
Blue Jay Way Please don’t you be very long
裸足の女神
(B’z)
Don’t you cry
My 裸足の女神よ

1-2-3-2. 会話文・日本語文のわかりきった主語(主にI)は省略することが多い。

(I) Thank you.(ありがとう)
(I’ll) See you later.(またあとでね)
(I) Went to bed at eight.(8時に寝た)

1-2-4. 述語動詞とその種類

述語動詞になるものはbe動詞、have動詞、一般動詞の3つの動詞および、それらと助動詞との組み合わせです。

1-2-4-1. be動詞

I am from Kagoshima.(私は鹿児島の出身です)
You are very kind to say so. (そういってくださって親切な方ね)
She is a tall, blond(e) girl.(彼女は背の高い、金髪の女性です)
They are all good students.(彼らはみんな良い生徒です)
It is an empty bottle.(それは空き瓶です)
人称
現在形 過去形 過去
分詞形
現在
分詞形
1
単数

複数
I am

We are
I was

We were
been being
2
単数

複数
You are You were been being
3
単数

複数
He(She,It) is

They are
He(She,It) was

They were
been being

上の表にあるように、主語の人称や数によって動詞は変化します。話し手(I)と話し手を含めた人達(we)を1人称、話し相手を2人称といいます。それ以外の話題にのぼるすべての人や物(he, she, it, theyおよびそれらが代名詞に置き換えられる前の元々の名詞)を3人称といいます。

1-2-4-2. have動詞

a I have a lot of money.(私はお金をたくさん持っています)
b I have two older brothers.(私には兄が2人います)
c I have a lot of friends in Liverpool.(リバプールに私の友達がたくさんいます)
d Our school has about three hundred students.(私達の学校には約300人の学生がいます)
e Fother has a bad cold.(父はひどい風邪をひいています)
f We have six English lessons a week.(私達は週6回英語の授業を受けます)
g We had snow the day before yesterday.(おととい雪が降りました)

have動詞も、人称、数、時制などによって次の表のように変化する。

人称
現在形 過去形 過去
分詞形
現在
分詞形
1
単数

複数
I have

We have
I had

We had
had having
2
単数

複数
You have You had had having
3
単数

複数
He(She,It) has


They have
He(She,It) had


They had
had having

このhave動詞は、1-2-4-3.で述べる一般動詞の1つとみなすことができます。したがって、一般動詞として扱うことができます。
haveは「持っている」とは限りません。例文(d)のOur schoolのように無生物が主語になる構文は英語に多いので、訳す場合に注意が必要です。

1-2-4-3. 一般動詞

I usually watch YouTube after supper.(私は夕食後たいていYouTubeを見ます)
We eat lunch in the school cafeteria.(私達は学校の食堂で昼食をとります)
The store opens at eight o’clock.(その店は8時開店です)

一般動詞も、人称、数、時制によって語形が変化します。詳しくは第9章 動詞で。

1-2-4-4. 助動詞

助動詞は、平叙文ではふつう動詞の前に置きます。will, shall, can, may, mustなどがあります。「未来、能力、許可、義務」などを表します。
また、進行形や受け身に使われるbe, 否定や疑問に使われるdo, 完了形に使われるhaveも助動詞です。

A He will call on us one of these days.(彼は近いうちに私達を訪ねてくるでしょう)
She can play the guitar well.(彼女はギターを弾くのがうまい)
You may go home now.(あなたはもう帰っていいよ)
B Stars are seen only at night.(星は夜だけ見えます)
I did not eat anything yesterday.(昨日は何も食べませんでした)

I have lived here for twenty years.(私は20年間ここに住んでいます)

以上、述語動詞の種類を簡単に説明しましたが、詳しくは第9章 動詞第10章 助動詞で扱います。

1-2-5. 補語と目的語

今まで主部の中心部である主語と、述部の中心である述語動詞について見て来ましたが、述部を構成するものには他に補語(Complement)と目的語(Object)があります。

(a) I am a teacher.
(b) I have a laptop.

(a)のa teacherは主語(I)の意味を補っている補語です。補語になるのは普通、名詞、代名詞、形容詞とその相当語句です。
また、(b)のa laptopは動詞haveの対象となる語(何を)で目的語です。目的語になるのは名詞・代名詞とその相当語句です。述語動詞のあとに補語が来るか、目的語が来るかは、動詞によって決まっています。

(a) I am an American.<補語>
(b) I saw an American on the street.<目的語>

(a)と(b)を比べてわかるように、同じan Americanという語でも、(a)は主語の意味を補っているので、I=an Americanという式が成り立ちます。一方、(b)ではI≠an Americanです。このように、補語の場合は、主語=補語の関係が成り立ちますが、目的語の場合は成り立ちません。
それではI am happiness.はどうでしょうか。「私は生徒だ」はI am a student.といえますが、「私は幸福だ」を英訳する時に、「幸福」はhappinessだからといって、I am happiness.と訳してはいけません。「私」という人間は「幸福」という抽象的なものになることはありません(I≠happiness)。幸福な状態(happy)になるのです。つまり、I am happy.が正しい文です。「私は病気です」も、I am illness.ではなく、I am ill.です。

1-2-6. 修飾語

今まで見て来た主語(S), 述語動詞(V), 補語(C), 目的語(O)を文の主要素といいます。これらの文の主要素を修飾する語句を修飾語句(modifier)といい、これらも文中で重要な働きをします。修飾語句(M)となるものは、形容詞・副詞など、およびそれらの働きをする句・節です。


(My) brother
主部
plays
述部
(the) guitar
述部
(every evening)
述部
(That) (red) cap (on the desk)
主部
is
述部
(my) sister’s.
述部

1-3. 8品詞

これまでは、文を組み立てている要素(主語、述語動詞、補語、目的語、修飾語)について学んできました。次に、それらの要素を構成している成分について詳しく見て行きましょう。英語の単語は、その性質や文中の働きによって8つに分類されます。これを8品詞といいます。

1-3-1. 8品詞の表す意味と文中での主な役割

名詞 人、生物、すべての物事を表します。boy, bread, Smith, etc.
数、格の変化があります。主語・目的語・補語などになります。
代名詞 名詞の代わりに用いられます。I, you, he, it, they, etc.
数・格・性・人称の変化があります。主語・目的語・補語になります。
形容詞 名詞の性質、状態、数量などを表します。good, kind, long, etc.
比較変化があります。修飾語・補語になります。
動詞 動作や状態を表します。walk, laugh, sleep, speak, etc.
数・人称・時制・態・法による変化があります。述語動詞となります。
副詞 時、場所、程度、方法などを表します。now, very, fast, etc.
比較変化があります。動詞・形容詞・他の副詞・文全体を修飾します。
前置詞 名詞の前に置かれ、場所・方向などを表します。on, in, to, etc.
名詞とともに形容詞句または副詞句をつくります。
接続詞 語、句、文を結び付けます。and, but, when, because, etc.
対等の語・句・文を結ぶものと、従属節を導くものがあります。
間投詞 驚き、喜び、怒り、悲しみなど感情を表します。oh, ah, alas, etc.
文のほかの要素とは関係のない独立要素です。

冠詞(a, an, the)は名詞の前に置き、名詞を修飾するところから形容詞の一種とみなしてよい。

1-3-2. 品詞は文章中の働きによって決まる

単語の品詞は、その語の文章中の働きによって決まるもので、同じ単語でも使い方によって品詞は異なります。

She runs fast.<副詞>
She is a fast runner.<形容詞>
I have seen her before.<副詞>
She arrived before me.<前置詞>

It was a long time before she came.<接続詞>

1-4. 句と節

いくつかの語が集まって、それが1個の名詞、形容詞、副詞のような働きをすることがあります。これを句または節といいます。

1-4-1. 句

The book on the desk is mine.(机の上の本は私のものです)
My uncle lives in London.(私の叔父はロンドンに住んでいます)

on the deskはThe bookを修飾する形容詞の働きをしています。in Londonはlivesを修飾する副詞の働きをしています。このように、語がいくつか集まって1つの品詞の働きをしているもので、その中に「主語+述語動詞」の形を含まないものを句(phrase)といいます。句には名詞句、形容詞句、副詞句があります。

1-4-1-1. 名詞句(Noun Phrase)—主語・目的語・補語になる

(a) To teach is to learn.(教えることは学ぶことです)<主語・補語>

ビートルズのHere, There and Everywhereの歌詞にはto love her is to need herというのがあります。to不定詞の名詞的用法です。
(b) Collecting stamp is his hobby.(切手集めが彼の趣味です)<主語>
(c) I don’t know how to handle this machine.(私はこの機械の取り扱い方法がわかりません)<目的語>

上例のように名詞句はto不定詞(a), 動名詞(b), 「疑問詞+to不定詞」(c)の形をとるものが多くあります。

1-4-1-2. 形容詞句(Adjective Phrase)—名詞・代名詞を修飾、補語にもなります。

(d) Please give me something to eat.(何か食べ物をください)<代名詞を修飾>
(e) The boy swimming in the pool is my brother.(プールで泳いでいる少年は私の弟です)<名詞を修飾>
(f) This PC is of no use.(このPCは役に立ちません)<補語>

上の例のように、形容詞句はto不定詞(d), 分詞(e), 「前置詞+名詞」(f)の形をとるものが多い。

1-4-1-3. 副詞句(Adverb Phrase)—動詞・形容詞・文などを修飾します。

(g) He goes to school by bus.(彼はバスで通学しています)<動詞を修飾>
(h) English is not easy to learn.(英語は習得しにくい)<形容詞を修飾>
(i) She went over to England to study English literature.(彼女は英文学を勉強するために英国へ渡りました)<動詞を修飾>
(j) Generally speaking, the Japanese are hardworking.(一般的に言って、日本人は働き者です)<文を修飾>

上の例のように、副詞句は「前置詞+名詞」(g), to不定詞(h,i), 分詞(構文)(j), の形をとるものが多い。句も単語と同じように、文中での働きによって名詞句か形容詞句か副詞句かが決まります。

1-4-2. 節

(1) The man who is working there is my father.(あそこで働いているのは私の父です)
(2) He was reading a novel when I entered the room.(私が部屋に入った時、彼は小説を読んでいました)

上文中のwho is working there(あそこで働いている)は、前の名詞manを修飾する形容詞の働きをしています。when I entered the room私が部屋に入った時)は、was readingという動詞を修飾する副詞の働きをしています。
このように、句と同じく語が集まって1つの品詞の働きをしているもので、その中に「主語+述語動詞」の形を含む語群を節(Clause)といいます。節には従属節と等位節があります。

A. 従属節

従属接続詞や関係詞によって導かれた節を従属節といいます。従属節は文中の働きによって名詞節・形容詞節・副詞節の3つに分けられます。

1-4-2-1. 名詞節

(k) That he maltreated the cat is true.(彼がその猫を虐待したのは本当です)<主語>
(l) The question is who should bell the cat.(問題は誰が難局に当たるか(猫の首に鈴を付けるか)ということです)<補語>
(m) Show me what you have in your hand.(あなたが手に持っているものを私に見せなさい)<目的語>

名詞節は接続詞(that, ifなど)(k), 疑問詞(what, whoなど)(l), 関係詞(what, whereなど)(m)に導かれます。

1-4-2-2. 形容詞節

(n) We keep a dog which barks fiercely.(うちでは猛烈に吠える犬を飼っています)
(o) This is the hotel where we stayed the year before last.(これが私達が一昨年泊まったホテルです)

形容詞節は関係詞に導かれて先行詞を修飾します((n), (o))。

1-4-2-3. 副詞節

(p) Everybody likes her, because she is honest.(彼女は正直だからみんな彼女が好きです)
(q) I will go if the weather is fine tomorrow.(明日晴れならば、私は行きます)
(r) Whatever you may say, I don’t believe you.(あなたが何を言おうと、私は信じません)ちなみにbelieve inは(人を)信頼するという意味。

副詞節は従属接続詞(p), (q), -everで終わる関係詞(r)に導かれます。

節も句と同じく、文中での働きで何節かが決まります。

I don’t know if it will rain tomorrow, but if it rains, the baseball game will be put off.(明日は雨が降るかどうかわかりませんが、もし雨なら野球の試合は延期になります)

B. 等位節

等位節は等位接続詞and, but, or, forなどによって結ばれている2つの節をいいます。

(a)〜(r)の例文を句と節の形と働きで分類すると、下表のようになります。

働き
名詞
形容詞
副詞
不定詞
(a)
(d)
(h), (i)
動名詞
(b)
疑問詞+to不定詞
(c)
分詞
(e)
(j)
前置詞+名詞
(f)
(g)
節 (従属)
接続詞
(k)
(p), (q)
節 (従属)
疑問詞
(l)
節 (従属)
関係詞
(m)
(n), (o)
(r)

次は基本5文型について見てみましょう。

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  • 第1章:文の構造
  • 第2章:5文型
  • 第3章:文の種類
  • 第4章:名詞
  • 第5章:冠詞
  • 第6章:代名詞
  • 第7章:形容詞
  • 第8章:副詞
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  • 第10章:助動詞
  • 第11章:接続詞
  • 第12章:関係詞
  • 第13章:前置詞
  • 第14章:群動詞
  • 第15章:比較構文
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  • 第17章:受動態と能動態
  • 第18章:仮定法
  • 第19章:不定詞
  • 第20章:分詞
  • 第21章:動名詞
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  • 第23章:倒置
  • 第24章:強調
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  • 第27章:無生物主語
  • 第28章:挿入構文
  • 第29章:英語独特の会話表現
  • 第30章:英会話の決まり文句
  • 第31章:会話表現の特徴
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  • 第33章:覚えるべき会話表現
  • 第34章:誤解しやすい会話
  • 第35章:韻を踏んでいる歌詞
  • 第36章:お決まりのフレーズ
  • 第37章:教科書と日常の英語
  • 第38章:Beatlesの頻出単語
  • 第39章:英語の咄嗟の一言
  • 第40章:話しかけるフレーズ
  • ビートルズの曲名に基づく索引(a,b,c,…)
  • 英国オリジナルアルバムの発表順に基づく索引
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